『建ぺい率と容積率』
2022/05/27
建ぺい率と容積率
皆さん土地をポータルサイト等で探しているときに、必ず建ぺい率や容積率といった単語を目にしていませんか?そしてその単語の横に40%とか80%といった数字が並んでいると思います。
確かによく見る・・・けど実際何の数字かわからない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回はそんな建ぺい率や容積率について解説していきます!
建ぺい率と容積率は実はそれぞれ家の大きさに関する数字になっています。
どちらも土地の大きさに対してどのぐらい建物を建築しても良いですよ~といった数字になっているのですが、別々に定められている以上、ニュアンスが違ったものになっています。
建ぺい率について
それでは早速、建ぺい率の説明からしていきます!端的に表すと、
建ぺい率=敷地面積に対して建築できる建築面積の割合
となっています。敷地面積はそのままで、土地の面積のことですね。一方、建築面積というのは、建物自体の大きさではなく、水平投影面積を表しています。
よく建坪(たてつぼ)とも言いますが、建物全体の面積ではなく、真上から見た面積のことであり、1階が2階よりも大きければ1階の面積、2階の方が大きければ2階の面積が建築面積となります。
建ぺい率が仮に40%だとすれば、土地40%までの面積までなら建築できるということです。
例)土地面積が110㎡(33.27坪)の場合、建ぺい率が40%なら、建物が44㎡(13.31坪)まで
ここまで読んでくださった方の中には
「自分の土地なのになんで建物の面積まで決められないとだめなんだ!ギリギリまで建てないともったいないだろう!」
と感じた方もいらっしゃるかもしれません(^^;)
なんで建ぺい率なんてものがあるの?
この建ぺい率という制限は、日照や風通しの問題・防災の観点から定められているものです。
みんなが敷地いっぱいに建物を建ててしまうと建物と建物の隙間がなくなってしまいます。
そうなると日当たりや、風通しが悪くなってしまい、快適な住居から遠ざかってしまいますよね…
なにより、建物の隙間がないと火事が起きた場合はどんどんと火が燃え移ってしまいますし、地震の際にはドミノ上に建物が倒壊する恐れがあります…
実際に昔の日本は火事になると町一帯に延焼していた歴史が多々ありますが、建ぺい率という制限がなかったことも一つの要因だと思います。
建ぺい率によって建築面積は制限されてしまいますが、その代わり、防災面での安心や快適な住まいに繋がっているんです。
また、建ぺい率は制限の緩和条件もあります!
・防火地域内の耐火建築物orそれと同等以上の性能を有する建築物
準防火地域内の耐火建築物・準耐火建築物・それらと同等以上の性能を有する建築物
(↑以前は防火地域内の耐火建築物のみでしたが2019年に法改正で範囲拡大しました!)
・特定行政庁(県や市)が指定した角地
以上のどちらかに該当する場合は+10%、どちらも該当する場合は+20%建ぺい率が緩和されます!建ぺい率は特に、火災の心配によって制限されているものなので、その部分が対策されていれば制限も緩くなるということです。
容積率について
次に容積率についてですが、こちらは
容積率=敷地面積に対する延べ床面積の割合
となっています。
先ほどの建ぺい率とは違い、こちらは建物全体の大きさの話ですね。
先ほどは真上から見た面積だけでよかったですが、こちらは各階の床面積の合計となっています。
仮に土地が110㎡(約33.27坪)で、容積率が80%の場合、各88㎡(26.62坪)までしか建築できないといった制限になっています。
ただ、容積率の場合はこの定められた数値だけではなく、もう一つ計算式があります。
前面道路の幅×0.4(0.6)×100=容積率
※用途地域が住居系の場合は0.4、その他の場合は0.6となります。
上記の計算式によって、前面道路の広さに応じて、別でも容積率が定められています。
そしてこの計算式で求められた容積率と、用途地域で定められた指定容積率のいずれか数値が低い方が当該容積率となりますのでご注意ください。
(前面道路が12m以上の場合は指定容積率になります)
例)第一種中高層住居専用地域で容積率が200%、前面道路幅員が4mの場合
→200% > 4×0.4×100=160% →容積率は160%!
容積率はいったい何のためにある?
容積率は高さ制限や人口制限といった意味合いがあります。
延べ床面積に上限があることで、間接的に建物の高さを制限することもできます。闇雲に高い建物が建たず、日照を確保することができますね。
ちなみに容積率についても、建ぺい率と同様制限緩和条件があります。こちらは制限の限度自体が緩和されるのではなく、延べ床面積に算入しないといった緩和になります。
(周囲に広い空き地がある場合は限度が緩和されるケースもあります)
・玄関ポーチやロフト、ベランダ・バルコニーなどは不算入
・地下室やインナーガレージなどは3分の1や5分の1(数値はそれぞれ違う)を限度とし不算入
もちろんそれぞれ大きさなどの規定もありますし、例外も多数あります。
また、建ぺい率と容積率は複数の地域にまたがったりすると加重平均という方法で計算をすることもあります。
どちらも、建築基準法で定められている制限ですが、あらゆる事項が規定されていますので、さらに知りたいといった方は是非調べてみてください。
(県や市によって違う点もあります)
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