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『自分でもできる!?「相続した家」の売却の流れを解説|遺産分割協議と相続登記』

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『自分でもできる!?「相続した家」の売却の流れを解説|遺産分割協議と相続登記』

『自分でもできる!?「相続した家」の売却の流れを解説|遺産分割協議と相続登記』

2022/12/04

自分でもできる!?「相続した家」の売却の流れを解説

遺産分割協議と相続登記

 

 相続した家の売却をするためには、いくつかのステップが必要です。この記事では、家を相続することが決定したらまず進めたい「遺産分割協議」と「相続登記」の2つの手続きについてご紹介します。相続登記を済ませないと家の売却はできません!とはいえ、不動産の名義変更は時間もお金もかかるもの。「自分でできるの?」「どのような流れで行うの?」「必要な書類は?」と不安ですよね。これから相続に必要な手続きを解説していきますので、ぜひ参考にしてください!

 

 

◇遺言書の確認

 

 

 人が亡くなるということは、その所有物を誰かに譲り渡すということです。家であれば、法定相続人の誰かが自分の名義に変更する必要があります。相続では不動産の名義を変更することを「相続登記」と呼んでおり、この手続きをしなければ売却することができません。なぜなら、売主が亡くなっている人のままだと効力がないからです。遺産分割で揉める理由は「相続させたくない人がいる」「不平等だとごねる人がいる」など。金銭が絡むことになるととかく面倒なことになりかねません。そこで、生前に遺言書を準備している人が増えています。遺言書はおもに「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」に分けられます。


【自筆証書遺言と公正証書遺言のメリット・デメリット】

 

 

自筆証書遺言

公正証書遺言

特徴

本人が自筆で書く遺言書

公証人役場にて公証人2名が立会いのもと作成される遺言書

メリット

本文と署名は自筆のみだが、いつでも作成できる。書き直しも自由。

公証人が遺言者の意志や内容を確認して作成するため、内容が改ざんされるリスクがない。

デメリット

法的効力が認められず無効になるケースが多く、隠匿されるリスクがある。

公証人手数料が高い。



もし遺言書を発見したら、速やかに裁判所へ持参しましょう。すでに遺産分割協議が進んでいたとしても遺言書の内容が優先されます。遺言書の内容に効力があるかないかは、裁判所にて検認手続きが必要となります。封筒に入っている状態で勝手に開封すると5万円以下の過料に処されるので、扱いにはじゅうぶん注意しましょう。

 

 

◇「遺産分割協議書」の作成と4つの不動産相続手段

 遺言書がない場合は、遺産分割協議を行うことになります。遺産分割協議には相続人全員の合意が必要です。遺産分割協議書の作成は、相続人間でのトラブル回避だけでなく、預貯金や不動産の名義変更の手続きなどのために必要です。遺産分割協議書に決まった書式はありません。法務局のホームページにひな形がありますので、参考にするとよいでしょう。遺産分割協議書の作成は自筆でもパソコンでも構いませんが、一字一句正確に記載する必要があります。財産が多い場合は、いきなり遺産分割協議書を作成するより、まず財産目録を作成しておくことをおすすめします。プラスの財産とマイナスの財産どちらが多いか、一目でわかるようにしておくと、相続放棄するかしないかの判断材料になります。不動産は評価額がわかりづらく、現預金や株式よりも相続が困難になりがちです。そこで、不動産の相続手段を4つご紹介します。売却を前提としているのであれば「換価分割」が一番公平な手段です。

 

 

●現物分割
ひとつの不動産をひとりが相続するというシンプルな相続手段です。「親の家を子が相続してそのまま住み続ける」「夫の家を相続してそのまま妻が住み続ける」といったパターンが多いです。

 

●代償分割

ひとりの相続人が不動産を相続する代わりに、他の相続人には相続分に相当する現金を渡すという相続手段です。たとえば、相続人が兄弟2人のみで相続対象財産が3,000万円相当の不動産しかないとします。この場合、兄が不動産を相続する代わりに弟に1,500万円の現金を渡すことで代償分割は成立します。

 

●換価分割

不動産を売却する前提で便宜上ひとりの名義に変更し、売却益を相続人全員で分ける相続手段です。換価分割には「売却益を平等に分ける」という利点があります。ただ、売却益にはそれぞれ譲渡所得税が課せられることがあります。「空き家の3,000万円特別控除」などの特例を活用すれば、譲渡所得税の節税対策にもなります。

 

●共有分割

ひとつの不動産を共有名義にして相続する手段です。法定相続人全員の名義にすることはもっとも簡便な方法ですが、揉めやすいのがこの共有分割。なぜなら、不動産を売却したり人に貸したりする場合、その都度名義人全員の同意が必要だからです。不幸にも名義人のひとりが亡くなると、末広がりに相続が発生し、ますます権利関係が複雑になってしまいます。共有分割はトラブルに発展しやすいので慎重に検討しましょう。代償分割と換価分割を選択する場合は、必ず遺産分割協議書内にその分割方法を記載します。この文言がないと贈与とみなされ、あとで贈与税の対象となる場合があるからです。遺産分割協議書は、相続人全員が納得・合意をするうえで重要書類です。そのため全員の実印と署名が必要になります。作成が難しい場合や連絡が取れない相続人がいる場合は、早めに司法書士などの専門家に相談するとよいでしょう。

 

 

◇自分でもできる?「相続登記」と必要書類

 不動産の名義を相続人に変更することを「相続登記」と呼びます。この相続登記をしておかなければ、家を売却することができません。早く売却したいと考えているのであれば、まず相続登記を済ませることです。相続登記に期限はありませんが、そのままにしておくと数次相続が発生したり権利者不明のまま放置されたりするリスクがありますので、速やかに相続登記を行いましょう。

 

 

●相続登記は自分でもできる?

結論から申しますと、相続登記は自分でもできます。ただし、法務局の開業時間は平日の8時30分から17時15分までとなっているため、フレキシブルに動ける人でないと難しいかもしれません。また、管轄の法務局が遠方である場合や法定相続人が協力的でない場合は、ひとりで行うことは困難を極めるでしょう。自分でやろうとする場合、「最低限の法律用語を理解できること」と「書類の作成が苦ではないこと」が必須です。また、せっかく書類を集めても、記載漏れや不備で何度も法務局へ行き訂正する羽目にもなりかねません。相続登記は自分でもできますが、書類の作成や収集だけで相当の時間を要します。「自分では難しい」と思った方は、無理せず司法書士などの専門家に相談するとよいでしょう。

 

●相続登記の必要書類

相続登記には少なくとも以下の書類が必要です。自分で全部揃えるのには時間がかかりますので、余裕のあるスケジュールを組みましょう。

【相続登記必要書類一覧】
・登記申請書(ひな形は法務局のホームページにあります)
・不動産の登記事項証明書
・被相続人の住民票除票(本籍地の記載があるもの)
・被相続人の出生から死亡時までの連続した戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・遺産分割協議書または遺言書
・相続人全員の実印
・相続人全員の印鑑証明書
・相続人の住民票(不動産を相続する人のみ)
・固定資産評価証明書
・相関図(法務局によって必要となる場合があるので要確認)

相続はケースバイケースです。あらかじめ法務局にどのような書類が必要か確認することをおすすめします。

 

●相続登記が完了したら売却活動のスタート
相続登記の申請は、基本的に管轄法務局の窓口へ行って行います。法務局で登録免許税を納付し、書類に不備がない場合は1週間から10日程度で完了します。書類に不備があるかどうかの審査はその場では行われませんので注意しましょう。登記が完了すると「登記完了証」と「登記識別情報通知書」が渡されます。あわせて「登記事項証明書」を取得して、自分の名義に変更されているか、内容に誤りがないかどうか確認しておきましょう。相続登記が完了したら、ようやく売却活動のスタートです。

 

 

◇まとめ

 家の売却を考えている人は、早めに専門家に相談することが重要です。そのためには、売却だけでなく相続にも精通している不動産会社を探すことが近道となります。相続は「争続」の元になりやすく、素人では思わぬトラブルに発展しかねないもの。ぜひ売却だけでなく相続にも強いプロの力を借りて、相続した家の売却を成功させましょう。

 

 

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