『売却物件の『囲い込み』とは?』
2022/11/03
売却物件の『囲い込み』とは?
数ある不動産会社の中には、売主様、買主様の利益よりもまずは自分たちの儲けを考える業者が少なくありません。よくある事例をご紹介します。中古住宅を探していた買主様。インターネット検索で良さそうな物件を見つけ、付き合いのある不動産会社A社に問い合わせてみました。さっそくA社は物件の仲介会社B社に連絡を取ってみたのですが…。
「担当者はお休みをいただいています」
「担当はただいま案内に出かけております」
「ただいま会議中なので伝えておきます」
何度電話をかけても担当者は不在で折り返しの電話もかかってきません。ピンときたA社さん、個人のスマホでB社に連絡してみました。すると、個人のお客様からの電話だと思ったのでしょう、「担当の◯◯です。お電話ありがとうございます!」と元気よく応答するではありませんか。電話の主が同業者だと分かった途端、B社の担当者のテンションはガタ落ち。物件のことを尋ねると「うーん、いま商談中なんですよねー」と答えます。「結果はいつ頃分かりそうですか?」と聞くと「そうですね、2週間くらいですかね」と、長期間待ちの回答が。これ、明らかに物件の「囲い込み」です。問い合わせが来たのなら、間髪入れず紹介したほうが早期契約に結びつくので良さそうなものですよね。それなのに、なぜ物件の「囲い込み」という行為が行われるのでしょうか。その原因は不動産の仲介手数料の仕組みにあります。不動産の仲介会社の収入の大部分は、物件の売主様や買主様からの仲介手数料が占めています。例えば、3,000万円の物件の場合、売主様もしくは買主様からいただく仲介手数料は「3%+6万円」で96万円になります。これを「片手仲介」と言います。そこで多くの仲介会社は、売主様と買主様双方の仲介を行う「両手仲介」を狙います。仲介手数料が売主様と買主様の双方からいただけるので、合計で6%+12万円と2倍に増えるからです。でも、物件を囲い込んでも、売れなければ意味がないのでは?」売主様から見れば、囲い込みは、せっかくの売買のチャンスをみすみす逃している行為に映ることでしょう。でも、囲い込みをする仲介会社にとっては、事情がちょっと違ってきます。
買主様がなかなか見つからない場合、用いられる手段が「値下げ」です。「3,000万円では無理なようなので、2,500万円にしましょう」となった場合、売主様にとっては額面通り、500万円という大変な損失を被ることになります。ところが、仲介会社にとっては、3,000万円での「片手仲介」より、2,500万円の「両手仲介」の方が利益が得られるのです。
片手仲介の場合 3,000万円×3%+6万円=96万円
両手仲介の場合 2,500万円×3%+6万円=81万円×2倍=162万円
いかがですか?多少の値下げをしても両手仲介の方が仲介会社にとってはメリットが大きいわけです。囲い込みが横行する理由はここにあります。物件の囲い込みをしなければ、レインズなど、不動産会社のネットワークを活用し、情報を拡散することができます。物件の情報が拡散できれば、買主様を探す不動産会社が増えますから、早く、希望した価格で売却できる可能性が大きくなるわけです。囲い込みが、売主様の利益と信頼をいかに傷つける行為か、お分りいただけるかと思います。規模の大小やブランドに惑わされず、信頼できる不動産会社を選ぶことが成功の秘訣です。
◇まとめ
当店ではお客様の安心を第一に考えた対応を心がけ、積極的に情報を開示しながら適正価格での早期成約を目指します。売却についての不安や疑問、お悩みなどはどんなことでも、どうぞお気軽にご相談ください。今、依頼している不動産会社の対応に不安や不信感のある方のセカンドオピニオンも承ります。
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